中古リフォームにも使いやすい 「こどもみらい住宅支援事業」の補助金制度とは?

「こどもみらい住宅支援事業」は、令和3年度補正予算542億円を投入して創設された国交省の住宅支援事業です。今までも、住宅支援に関する様々な補助金制度が毎年用意されてきましたが、今回新たな形でスタートするこの補助金制度は、より目的がはっきりした使いやすい制度になっているように感じます。新築住宅も補助の対象になっていますが、中古住宅を購入してリフォームを計画している、子育て世帯を中心とした買主さん達にもピッタリな制度とも言えますので、積極的な利用を検討されては如何でしょうか。

令和3年11月26日に国交省が発表した事業の内容について、個人がリフォームする場合に特化した内容を以下に分かりやすくまとめてみましたので、是非、参考にしてください。

(11月26日以降、内容については文言の追加や変更が進んでいます。最新情報を上記リンク先で確認してください。)

 

「こどもみらい住宅支援事業」の目的

国交省の発表によると、この事業の目的は、子育て支援と将来的なカーボンニュートラルの実現にあります。子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の省エネ改修等に対して補助することにより、彼らの住宅取得に伴う負担軽減を図るとともに、省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図ることを目的にしています。

 

補助の対象となるリフォーム工事

住宅の所有者が、施工者に工事を発注して実施するリフォームしか対象となりません。なのでDIYは対象外です。所有者とは、現在住んでいる自宅の所有者、または、購入する中古住宅の買主を指します。施工者とはリフォームが実施できる事業者であり、双方で工事請負契約を交わす必要があります。

 

補助対象期間

以下の期間内に契約及び工事を行うものが対象となります。(別途、事業者登録や申請期間等も定められています。)

① 工事請負契約

令和3年11月26日から令和5年3月31日までに工事請負契約を締結したもの

② 工事の実施

契約締結したリフォーム事業者が、本事業の事業者登録を行った後に工事に着手し、令和5年3月31日までに工事が完了するもの

※ 工事請負契約と事業者登録の期日については、期間内であれば前後は問わない。

※ 4月28日付けで、契約・完了の期限が延長になりました。

 

リフォーム工事によって満たすべき住宅の性能と補助の対象

まず、次の①~③のいずれかに該当するリフォーム工事を含んでいることが必要であり、またこれらは補助の対象となります。

 

①開口部の断熱改修

  • ガラス交換
  • 内窓設置(内窓交換を含む)
  • 外窓交換
  • ドア交換

※ 改修後の開口部が基準値以下の性能を有するために行うものに限る。

 

②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修

外壁、屋根・天井、床のうち、いずれかの断熱性能を向上させるための改修

 ※ 改修後の外壁、屋根・天井または床の部位ごとに、一定量以上の断熱材を使用するものに限る。

 

③エコ住宅設備

  • 太陽熱利用システム
  • 節水型トイレ
  • 高断熱浴槽
  • 高効率給湯機
  • 節湯水栓

※ 基準を満たすものに限る。

 

上記いずれかの省エネ改修工事を行えば、更に下記④~⑧についても補助の対象となります。

 

④子育て対応改修

  1. 家事負担の軽減に資する設備(基準を満たすものに限る)を設置する工事
  2. 防犯性の向上に資する開口部の改修工事(基準を満たすものに限る)
  3. 生活騒音への配慮に資する開口部の改修工事(基準を満たすものに限る)
  4. キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事(基準を満たすものに限る)

 ※ 1の設備とは下記に示すもの

・ ビルトイン食器洗浄機
・ 掃除しやすいレンジフード
・ ビルトイン自動調理対応コンロ
・ 浴室乾燥機

・ 宅配ボックス

 

⑤耐震改修

旧耐震基準により建築された住宅を、現行の耐震基準に適合させる工事

新耐震基準で建てられた住宅は対象外です。新耐震でも現行基準不適合の建物はたくさんあるのに…。旧耐震は住宅ローン減税の対象から完全に外されましたから、ここで救済ということなのでしょうか??

 

⑥バリアフリー改修

次のバリアフリー改修工事(基準等を満たすものに限る)

  • 手摺の設置
  • 段差解消
  • 廊下幅等の拡張
  • ホームエレベーターの新設
  • 衝撃緩和畳の設置

 

⑦空気清浄機能・換気機能付きのエアコン

空気清浄や換気を目的とした高性能のエアコンを設置する工事

※ 基準等を満たすものに限る。

 

⑧リフォーム瑕疵保険への加入

既存住宅売買瑕疵保険とは別の保険ですから注意してください。リフォームの発注先である工事事業者が、リフォーム瑕疵保険への加入手続きができない場合は申請できません。

 

補助額の算定方法と上限額

前項で示した①~⑧に対して定められた補助額を合算し、1申請あたりの補助額を算定します。合計補助額が5万円未満の場合は申請できません。また、補助額の上限は下記のように決まっています。

 

  1. 子育て世帯又は若者夫婦世帯が、既存住宅を購入してリフォームを行う場合…60万円
  2. 子育て世帯又は若者夫婦世帯が、自宅のリフォームを行う場合…45万円
  3. 上記以外のその他の世帯が、安心R住宅を購入してリフォームを行う場合…45万円
  4. 上記以外のその他の世帯が、上記以外のリフォームを行う場合…30万円

 

ちょっと分かりにくいですよね。それぞれの判定は、売買契約の額や契約(売買及び請負工事)の締結日などによるところもありますので注意が必要です。

なお、子育て世帯とは18歳未満の子を有する世帯であり、若者夫婦世帯とは夫婦のいずれかが39歳以下の世帯です。う~ん、これだとボーダーラインが曖昧ですね。と、思っていたらすぐに、より厳密な線引きが発表されましたので以下に示します。

 

(子育て世帯)

申請時点において18歳未満の子(年齢は令和3年4月1日時点、すなわち平成15年(2003年)4月2日以降に生まれた子)を有する世帯

 

(若者夫婦世帯)

申請時点において夫婦であり、いずれかの年齢が39歳以下(年齢は令和3年4月1日時点、すなわち昭和56年(1981年)4月2日以降に生まれた人)である世帯

 

対象工事内容ごとの補助額について

代表的なものについて以下に示します。

①開口部の断熱改修

大きさの区分 ガラス交換 内窓設置又は交換 外窓交換   ドア交換
8,000 円 21,000 円 21,000 円 32,000 円
6,000 円 16,000 円 16,000 円

2,000 円 14,000 円 14,000 円 28,000 円

※ ガラス交換については、箇所数ではなくガラスの枚数で計算する。

※ 開口部の面積により大きさの区分が定められている。

 

②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修

外壁 屋根・天井  
51,000 円 / 戸 18,000 円 / 戸 30,000 円 / 戸

※ 上記はリフォームによる部分断熱の場合(性能による指定数量以上を使用した場合に限る)

※ 三つの部位すべてを断熱する必要はなく、実施した部位それぞれについて申請可能。

 

③エコ住宅設備の設置

エコ住宅設備の種類   ドア交換
 太陽熱利用システム   24,000 円 / 戸

節水型トイレ

掃除しやすい機能を有するもの

19,000 円 / 台
上記以外 17,000 円 / 台
高断熱浴槽   24,000 円 / 戸
高効率給湯機   24,000円 / 戸
節湯水栓   5,000円 / 台

 

④~⑧についても同様に補助額が定められています。詳しくは国交省の資料をご確認ください。

 

申請方法等

本事業は、工事施工者が工事の発注者から委託を受けて補助事業者となり、補助金の申請及び交付を受けるものです。交付された補助金は工事の発注者に還元することが前提であり、申請にあたっては共同事業としての同意が必要です。

リフォーム工事に対する補助金の申請時期は、すべての工事の完了後となっています。事業者登録期間や申請期間が定められていますので、全体の計画と工程を管理しながら準備を進めることが大切です。

 

事業者登録期間

令和4年1月中旬~遅くとも令和5年3月31日(4/28付で延長されました)

申請期間

令和4年3月頃~遅くとも令和5年3月31日(4/28付で延長されました)

 

提出書類

リフォームで申請を行う際に提出が必要な書類は、次のA~Eのすべての書類です。加えて、リフォームを行う世帯の属性(子育て世帯又は若者夫婦世帯)や既存住宅購入を証明するためにはF~Jの書類も必要になります。

(必須)

A. 共同事業実施規約(指定の書式)

B.工事請負契約書の写し

C. リフォーム工事証明書(指定の書式)

D. 発注者の本人確認書類(運転免許証の写しなど)

E. 対象工事内容に応じた性能を証明する書類(納品書や性能証明書、工事前後の写真など)

 

(世帯の属性を証明する場合)

F. 申請時点における住民票(世帯全員)の写しなど

 

(既存住宅購入を証明する場合)

G. 不動産売買契約書の写し

H. 不動産登記の全部事項証明書

I. 工事発注者の住民票の写し

J. 安心R住宅調査報告書の写し(安心R住宅を購入した場合のみ)

 

提出先

書類の提出を含めた申請手続きは、今後選定される事務局に対して、申請者(工事事業者)がオンラインで行う必要があります。

 

 如何でしたか?

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金申請に比べれば、各段に利用しやすくなっています。申請は事業者に委託しなければいけませんので手数料の支払いが必要になるかもしれません。それでも、長期優良住宅化リフォーム推進事業に比べれば、事前インスペクションや適合判定の手間、維持管理計画書の作成などは必要ありませんので、手続き費用は随分抑えられるのではないでしょうか。補助金の上限額は30万から60万と幅がありますが、むしろ獲得しやすい現実的な補助額だと思います。

いずれにしても、プロのサポートがないと申請はできません。早めに計画を立てて行動することが、成功への第一歩となるでしょう。

 

補助金利用には綿密なスケジュール管理が欠かせない

不動産購入を思い立った時、今までなら不動産仲介会社に相談すれば事足りていました。しかし、取引の中心が中古物件に移行した今、建物の状況を正確に把握しリフォームで改善することを考えれば、物件購入の流れと並行して、建物の調査・診断・リフォーム計画を同時進行で行うことが非常に重要になってきます。

特に補助金を使ってリフォームをする予定なら、購入予定の建物が補助金の要件にあっているか、計画しているリフォーム工事が補助金の対象となるかなど、早い段階で知る必要があります。マイホーム取得という目的に向かって全ての流れを滞りなく推し進めていくには、不動産にも建築にも精通したプロのサポートが不可欠なのです。

 

リフォーム計画を立てるにも、補助金を申請するにも、対象となる住宅が確定しなければできません。「中古住宅購入×リフォーム」を成功させたいなら、不動産購入の正しい道筋を早めに歩き出すことをお勧めします。

  

 

私たち「いえあーる」は、宅建業者であり一級建築士事務所でもあります。中古住宅購入からリフォーム工事までワンストップで対応できるのが最大のウリなのです。

 

今回は建築サイドのお話しでしたが、マイホーム購入のポイントも山ほどあります。無料の対面相談も行っていますので、「もっと詳しい話が聞きたい!私の話も聴いてほしい!」という方は、お住まい相談室に是非お越しください。

 

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