①不動産業界のこと

アパート探しでお世話になった不動産会社のイメージは如何でしたか? これからあなたが漕ぎ出す世界は、賃貸ではなく売買の世界です。取引はより複雑で、思惑と駆け引きが絡み合う世界なのです。

不動産業界の一般的なイメージは?

なんとな〜く不誠実に感じるのは何故なんだろう? ドラマに描かれる不動産業者の腹黒い雰囲気といったら…。 「もう一人、買いたいという人がいるんですよね〜。」(ホントかな〜?) 「地震の時が心配?大丈夫ですよ、しっかりしていますから!」(根拠はあるのかな?) 「絶対お買い得!もう二度と出ませんよ、こんな物件。」(そう言われても、なんかピンとこないんだけどな〜)

 

不動産取引のしくみ・・・ひと手間で二倍おいしい両手仲介

売買の当事者は、売主さんと買主さんです。

中古住宅売買は、売主さんも買主さんも一般消費者である個人間売買が多いので、両者の間を取り持つ専門家がいると安心です。この専門家となるのが不動産業者です。公正な取引になるように専門的な知識を活かして仲介し、売主さんと買主さん双方から手数料を得ます。 これを業界では「両手仲介」といいます。

さて、売主さんが「自宅を売却しよう」と思い立ったら、まずは何をするのでしょうか?よく「売却物件求む!」という不動産業者のチラシを目にしませんか?例えばそのような会社に相談し、市場に売り出す準備をスタートするのです。不動産業者は、売却の相談を受けたら広告を出したり、その広告に問い合わせが来たら現地に買主さんを案内したりします。この間の活動費用は不動産業者の負担。活動が実を結び、売主さんや買主さんが合意して契約が交わされると、初めて仲介手数料という売り上げが上がります。売主さんや買主さんにとって、費用を気にせず相談できる点は有り難いですよね。

でも!仲介手数料が成功報酬であることを考えると、不動産業者がゴリ推しする図も理解できますよね。しかも、一手間で二倍おいしい両手仲介ともなれば、「これは絶対制約しないと!!」と思うはず。他社が買主さんを連れてきて契約が成立すると、手数料は半減してしまうのですから。自社の売り上げばかりに気持ちが向いて、成約ありきの言動に走ってしまう彼らは、専門家にしかわからないような物件のデメリットなど、きちんと説明してくれるでしょうか?

そもそも国は、この両手仲介を推奨していません。双方に対して誠実な不動産業者一社が間に入って契約を取りまとめる安心感よりも、売上主義に走って説明責任も果たさず、紛争に陥ってしまう危うさのほうを懸念しているのです。国が求める正しい不動産仲介の形は、売主側、買主側それぞれに別の不動産業者が付き、協力し合って交渉をまとめていく、というものです。

そのために、買主さんは何をすればよいのでしょうか?そう、まずは自分のために誠実に仕事をしてくれる不動産業者を見つけることです。しかも、気になる物件を目にする前に!ですよ。

世の中には、物件広告で買主さんの気を引く不動産業者がたくさんいます。でも、物件を目にする前に、いまからマイホーム購入に向けて、自分がどんな道筋を歩いていくのか、具体的にイメージしたいと思いませんか?

 

不動産業界と建築業界、似ているようで似てない心持ち

不動産と建築は、同じ業界のように目されることがあります。どちらも住生活を支える専門分野であることは間違いありません。不動産業は仲介業。仲介手数料という報酬が売り上げです。そして、それは成功報酬。売買契約が成立して初めて請求権が発生します。

仲介手数料は法的に上限額が決められており、取り扱った物件価格に比例します。同じ物件価格ならば、かけた手間暇に違いがあっても、請求できる手数料は同額です。不動産業者にしてみれば、売りやすい物件を買いやすいお客様に勧めるのが効率的となります。

翻って建築業は請負工事業。約束した工事を実施し、お客様の希望をカタチにして初めて代金がいただける商売です。どんなに手間暇をかけて空間を作り上げても、お客様の希望がカタチになっていないと業務は完了しません。打合せに心を砕き、要望を計画書に落とし込んで説明を尽くす… 希望をカタチにするために、完成のイメージをお互いに共有することが大切なのです。不動産と建築は、時間のかけ方と向き合い方が大きく違うのです。

 

中古購入+リフォーム  もっと良い方法があったのに

最近の中古住宅市場では、すぐ入居できる点が好まれて、リフォーム済み物件が多く出回っています。一方で、全くリフォームされていない物件も注目されています。リフォーム費用が上乗せされていない分、手頃な価格で買えて、自分好みにリフォームできるので、高い満足度が得られるようです。

「餅は餅屋」とよく言いますが、リフォームを前提にして中古住宅を探す場合、物件探しや契約のことは不動産業者に、リフォームのことは建築業者に依頼すれば間違いないと思いますよね。でも、購入する物件が決まって、いざ建築業者を探すとなると時間が掛かってしまいます。少しでも早く入居したいという気持ちから、仲介した不動産業者にリフォームも相談する買主さんは珍しくありません。

ただ本来、不動産購入とリフォームは全くの別世界。住宅を扱っているプロだから頼りにしても大丈夫、と不動産業者を過信してはいけません。仲介して手数料の請求権を得た不動産業者にしてみれば、リフォームの相談は余計な仕事です。専門外の建築は面倒臭くて、わざわざリスクを抱えるようなもの。適当に知っている建築業者を紹介するだけという業者もいるのです。

果たして、紹介された建築業者は、買主さんに向き合い、誠実に対応することに腐心してくれるでしょうか?彼らにとってのお客様は、仕事を紹介してくれた不動産業者なのかもしれません。

大きな費用をかけて手にしたマイホーム。これから長い年月、住み続けていかなくてはなりません。購入後のリフォームは、建物の状態をチェックする絶好の機会です。必要な補修を提案してくれたり、先々の維持管理のことまで親身になってアドバイスしてくれたりする建築業者に出会えたら安心ですよね。ワンストップで両方できる仲介会社がいたらいいのに…と思いませんか??

 

建築士にまず相談、という選択

建築業に専念していた当時から、私たちのもとには、「中古住宅を購入したのでリフォームをしたいのですが…。」という相談が頻繁に舞い込んで来ていました。お話を聞いてみると、住宅ローン減税や補助金制度について、全くご存知ないというケースがありました。このような優遇制度を利用するには、購入前から配慮しておくべきことがあります。また購入した建物の状態があまりにも悪い場合や所有権を移転してしまった後では、100%その恩恵を受けられないこともあります。事実を知った買主さんがガッカリされる姿を見るたびに、早く助言してあげられたら役に立てたのに…と、私たちも残念な気持ちになっていました。

中古住宅売買を外から見て感じるのは、一生に一度の大きな買い物を検討しなければいけないのに、買主さんが知っている情報があまりに少ないということ。特に建物に関しては、見た目で知り得ること以外は皆無に等しいといっても過言ではありません。こんな状態で正しい決断ができるでしょうか? 

な・の・で!気になる物件を見つけたら、まずは建築士に相談することをお勧めします。その物件は今どのような状態にあるのか、劣化改善等のためにどのような工事が必要で、希望するリフォームは実現できるのかなど、建築士でなければ判断できないポイントについて話を聞くことができるでしょう。

最大のメリットは、不動産の売買契約前に、建物に関する建築的な情報を取り入れて、その物件を購入することが賢い選択なのかどうか、冷静に検討できる点です。

「餅は餅屋」を有効活用しない手はありません。そのためには、何から始めたらよいのでしょうか?

 

私たちの目指す「買主さんに寄り添う不動産取引のカタチ」

「マイホームを買おう!」と思ったら、まず何をしますか?

とりあえずインターネットで物件検索をして、自分が希望する場所だとどのくらいのものがいくらぐらいで売っているのかを調べたり、気になる物件を見つけたら、情報元の不動産業者に問合せたりするのが一般的でしょう。

でも、ちょっと待ってください!それは確かに気になった物件かもしれませんが、その不動産業者に仲介を依頼してもいいと思ったわけではありませんよね。

その不動産業者は、求めている情報の提供や抱いている不安の解消に誠実に応えてくれそうですか?お金の知識や建築の技術を身につけており専門家としてのアドバイスが期待できそうですか?それよりも何よりも、買主さんに寄り添う気持ちで対応してくれるでしょうか?

いえあーるは、建物インスペクションと性能アップリフォームが得意な建築士と、買いたい気持ちに寄り添うことが大好きな宅建士がいるお店です。わたしたちは、そう、買主さん支援を旨とするバイヤーズエージェントなのです。

「聴く、答える、調べる、伝える、サポートする」という五つのお約束を守りながら、買主さんの利益を最優先した不動産取引を実現するため、不動産業と建築業の両面から、全力で買主さんをサポート致します。