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【福岡発】安いからといって中古マンションを選択するのはどうかと思う

戸建てよりもマンションは安い?

同じエリアに存在するのなら、戸建てに比べればマンションの方が割安感はあると思います。立地的な利便性は同等ですから、共同住宅という形態を受け入れることができるならマンションでも問題ありませんよね。中古でも同じようなことが言えます。同じエリアで築年数が同等なら、戸建てよりも中古マンションの方がかなり安いと言えるでしょう。

 

住宅ローン完済後も一定の負担は続く

何事においても、安いから飛びつくという姿勢は宜しくないとは思うのですが、自分が気に入った中古マンションが思いのほか安かったら、俄然購入意欲が増してきます。あるいは逆に、安い中古マンションを試しに見学に行ってみたところ、思った以上に自分好みのものだったというケースもあるでしょう。

ただ、どちらの場合も価格は先にわかっている訳なので、「安さに引きずられて通常よりも良く見えている」という可能性もあります。「この安さならこの程度は普通であり、割安感がある」という具合に…。

さて、マンションと戸建ての一番大きな違いは何だと思いますか? それは、住宅ローンを完済した後も住居費が毎月かかるという点です。マンションは共同住宅ですから、所有者で構成された管理組合の取り決めに従うことが義務付けられています。所有者で公平に負担する管理費や修繕積立金、駐車場代やバルコニーの使用料など、管理組合で決定した額を払い続けて行く必要があります。規模や築年数にもよりますが、額にするとだいたい2万円前後くらいでしょうか。家賃よりもかなり安いとはいえ、そこに住み続ける以上は毎月かかる費用なのです。

 

毎月かかる住居費はどっこいかも?

例えば、こんな風に考えてみて下さい。今まで住んでいたアパートの家賃が6万円だったとして、返済月額4万円で手頃な中古マンションが購入できたとします。毎月の返済額は家賃より安くなるので購入する理由は成立しますね。金利1%で返済期間を35年とすると、1417万円の借入です。ただ、管理組合に支払う諸々の費用が2万円とすると、毎月かかる住居費は6万円、これから同様に逆算すると2125万円の住宅ローン返済をしているのと同じ感覚です。しかも、35年経った後も毎月2万円の負担は相変わらず続きます。

 

家賃より住居費が安くなると思って購入したのに、毎月かかる住居費は同等で、しかもいつまで経っても負担は続く…。更に言うと、管理組合に支払う諸々の費用は、これから高くなることはあっても安くなることはまずないでしょう。自分の懐具合がどうであっても、減額もできないしストップすることもできないのです。 

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