どんな街づくりを目指すか、全国の自治体で都市計画の要として「立地適正化計画」の策定が広がっています。
人口減少が加速するこれからの時代、膨張しすぎた街をコンパクトな街につくりかえ、生活に欠かせない機能を限られたエリアで維持することが目的なのですが、この「立地適正化計画」は住宅の資産性にも大きく影響することが懸念されますので、これから家を買う人には無視できない重要なポイントです。
住みたい街を選ぶとき、その基準となるものとしてポピュラーなのは、子供の通学や学区に関するもの。でもちょっと待ってください。子供がその地域で勉学に励むのはせいぜい15年、高校生になったらバスや電車を使って自由にその地域を飛び出し、活動エリアを劇的に広げるようになります。そう考えると、自分たちの通勤環境の方がよっぽど長期にわたり重要なことだと思えませんか?友達と同じ学校に行かせてやりたいとか、今まで住んでいたから安心とか、主観も勿論大事ですが、客観的に見てその街は将来どのような取り扱いになりそうなのか、俯瞰して考えることも大切です。福岡市は全国的にも珍しく、人口が増え続ける人気スポット。でも、中心部もあれば近隣市町村に隣接した辺境部もあります。福岡市全域がこれからも一様に発展していくわけではないのかもしれませんよ。
「立地適正化計画」では、住宅を集める「居住誘導区域」(住む場所を集約)と、店舗や福祉施設、教育機関などの立地を促す「都市機能誘導区域」(仕事をする場所を集約)が設けられます。当然、そのどちらにも含まれない地域も出てきます。平たく言うと、街の中で「今後も活用していく区域」と「使わない区域」を線引きしましょう、という考え方なのですね。人口減少時代では、社会資本を投下する対象を絞ってコンパクトにしなければ、自治体の財政が破たんしてしまう恐れがあるのですから仕方がないのです。
マイホーム購入を検討しているなら、希望エリアの自治体が「立地適正化計画」の取り組みを行っているかどうか、また、取り組みを実施している場合は、購入対象物件が「居住誘導区域内」なのかどうかを確認する必要があります。つまり、安定的な生活を維持することを考えれば、将来的に人が集まり続ける立地選びが大切だということなのです。
今までの住宅業界の常識は、「住宅を新築して、住まなくなったら(住めなくなったら)処分する…戸建の場合は、悪くても土地代くらいは現金化できる」というものでした。しかし、不動産は買い手や借り手がいなければ現金化できません。現金化できないだけならまだしも、維持費や税金がかかり続ける「負の財産」となる危険性をはらんでいるのです。利用者が減ると電車もバスも廃線を余儀なくされます。駅徒歩圏内に検討対象となる物件があれば、あえてバスが来なくなった住宅団地を選択する人はいなくなります。大型ショッピングセンターの周辺に造成された街も要注意…ショッピングセンターが撤退したら途端に不便な立地となってしまうからです。車があれば大丈夫?高齢者の事故が増え続ければ、免許返納も義務化されるかもしれません。
「どこに住みたいか」を考える時は、自分たちの主観だけではなく、その市町村が策定した「都市計画」や「立地適正化計画」を読み解き、今だけではない将来の姿も想像する力が必要です。
マイホーム購入を決断するためには、いろんな指標があります。それを知った上で購入を決断したのなら後悔はないはずです。一番困るのは「こんなことなら買わなかったのに…」と後になって後悔が募ること。そうならないためにも、自分のことのように情報を集め開示してくれる「信頼のパートナー」を見つけることが一番なんですね。
物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談相手に巡り合うこと」
対面相談が何故大切なのか分かり易い動画にしました。是非ご視聴下さい。 |