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【福岡発】家の性能はピンキリ!「長期優良住宅」というステータスも存在します。

建築基準法は最低限守るべきレベル

世の中に存在する既存住宅について比較検討する場合、築年数による古さ加減の違いだけではなく、新築時の工法や仕様による性能の違いがあることを意識することが大切です。違法建築は言語道断ですが、例え建築基準法を遵守して建てられた住宅であっても、十分な性能を維持した住宅であるかどうかは別問題。建築基準法はあくまでも、最低限守らなければならないものであり、それを満たせば快適というものではありません。

 

その上を行く、長期優良住宅

建築会社の建て方や使用する材料により、その住宅が保有する性能はまちまちです。今までは、横並びに比較検討するのは難しかったのですが、平成12年に策定された「住宅性能表示制度」により、一定のものさしで様々な住宅の性能をわかりやすく表示することができるようになりました。その目的は、住宅品質の底上げを促すことでした。そして9年後の平成21年に、長期優良住宅制度が制定されました。長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のことです。住宅性能表示制度に定められた性能項目に重なる部分もありますが、これからのストック社会を見据え、住宅の長期有効活用を実現するために設けられた制度なのです。

 

長期優良住宅の認定を受けるためには、認定を受けようとする建築主が、長期優良住宅の建築及び維持保全に関する計画を作成し、着工前に所管行政庁に申請する必要があります。新築住宅の認定制度がスタートした後、平成28年からは既存住宅を増築・改築する場合の認定制度もスタートしています。

 

長期優良住宅の認定項目

新築の認定項目は、1.バリアフリー性 2.可変性 3.耐震性 4.省エネルギー性 5.居住環境 6.維持保全計画 7.維持管理・更新の容易性 8.劣化対策 9.住戸面積 の九つです。なかでも目玉は維持保全計画。着工前の申請は勿論のこと、完成した後も10年以内ごとに30年以上の間、点検や必要に応じた修繕、改良をし、その記録を作成・保存することが義務付けられます。長期優良住宅は認定を受けたあとも、住宅の維持保全のためにいろいろな手間や費用がかかるという訳です。

 

これからは、中古の長期優良住宅も選択肢になる

長期優良住宅制度が策定されてそろそろ10年を迎えようとしています。中古住宅市場にもぼちぼち姿を現し始める頃でしょう。一般住宅に比べれば、金銭面の優遇(住宅ローン控除、登録免許税、不動産取得税、固定資産税に関する優遇)が厚く、また、将来的な資産価値が維持されやすいとも言われています。但し、新築時に作成された維持管理計画に基づく点検や補修・改善の義務も負うことになります。

 

何が何でも長期優良住宅を購入すべき、というわけではありませんが、同じように見える中古住宅でも、仕様や性能は様々だということをお忘れなく。

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