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【福岡発】福岡市の「耐震改修補助金制度」について説明します。

既存住宅の耐震化に補助金がつく話

旧耐震の既存住宅を耐震改修する場合、自治体の補助金制度を利用することができます。福岡県の予算が市町村に投入されているケースもあり、補助金上限額も自治体によって違うのですが、福岡市の補助金上限額はなんと90万円!個人資産である住宅の改修に税金が使われるなんて、普通では考えられませんよね!?

耐震化率を向上させることは、国全体で推進すべき重要課題の一つなのです。

 

申請時に添付すべき書類とその目的

でも、税金を使うわけですから審査はとても慎重に行われます。まず、対象となる物件の確認ですが、新築年が昭和56年(1981年)以前の住宅しか対象になりません。新築年の確認は登記簿で行われますので、申請時に「建物の全部事項証明書」を添付する必要があります。もっと正確に言うと本当は、「建築基準法が改正される前に建てられたものであること」ということですから、「同年5月以前に確認下付されたもの」ということになります。登記簿の新築年がきわどい場合は、同じく申請時に添付する「確認済証」で、旧耐震なのか新耐震なのかジャッジすることになります。

 

建物を建築する場合、役所への手続きとして、「建築確認申請→下付・確認済証受領→工事着工~完工→完了検査→検査済証受領」という一連の流れがあります。確認済証は、建築基準法等に則った建築計画が成されていることを確認しましたよという証であり、検査済証は、完工した建築物が建築基準関連規定にきちんと適合していますねという証です。

 

他の市町村で求められることは少ないのですが、福岡市では、補助金申請時に、この確認済証又は検査済証の添付も求められます。つまり、建築のルールに従い、確認申請をして建築された建物でなければならないということです。かなり古い建物になると、大工さんが闇で建てたなんていうケースもあり、泣く泣く補助金をあきらめなければならないこともあります。

 

確認済証や検査済証は建築主が保管しているものですが、どこにあるかわからない、あるいは、中古を購入した時に引渡しを受けていないということもよくあります。福岡市役所の建築指導課窓口に行けば、帳簿を調べて証明書を発行してくれますので、それで代用することも可能です。

 

申請者は所有者または居住者のいずれか

以前は、補助金申請ができるのはその住宅の所有者だけだったのですが、現在は、所有者または居住者ということで、対象が広がっています。「自分の所有する家に住んでいる」というケースだけではなく、「親の所有する家に息子家族が住んでいる」というケースでも利用できるわけです。もっと言えば、賃貸人の許可があれば賃借人でも利用できるということです。確かに、耐震化を切実に望んでいるのは現在住んでいる人ですから、実状に合った改正が行われたということになりますね。ただし、申請者が福岡市民の場合、市税の滞納がある状態ではこの制度は利用できません。市役所内でもれなくチェックされますので、心得ておきましょう。

 

購入した中古住宅が旧耐震物件である場合、これから所有者(居住者)となる買主さんもこの制度を利用することができますよ。耐震適合は住宅ローン減税の要件にもなっていますので一挙両得ですね。