中古物件を検討する際に大切なことは、立地と建物の状況を出来るだけ正確に掴むこと。そしてその物件がマンションで有れば更に、管理状況について正しく理解することです。
「マンションは管理を買え」と言われるように、日頃の管理が行き届き、円滑な組合運営が実施されているマンションほど良質なマンションと位置付けられています。
日頃の管理を行うのは管理会社ですが、その管理会社に委託しているのは、区分所有者の共同体である管理組合です。戸建住宅の維持管理を所有者が行うように、マンションの維持管理も、区分所有者全員が協力して行わなければならないのです。
これは単なる概念的なものではありません。2001年に施行された「マンション管理適正化法」に明文化されており「区分所有者は、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければならない」と規定されているのです。平たく言うと「管理組合の役員を引き受けて積極的に関わりましょう!」ということですが、実際には、役員選出は難航することが多いようです。
管理組合が円滑に運営できなければ、管理も行き届かなくなる可能性があります。みんなが他人事だと思っていると、いずれは荒れたマンションになってしまい資産価値も下落してしまうのです。
このような状況を見過ごすことはできないということで、国も「マンション管理適正化法」の改正に乗り出しました。今年6月に行われた改正で、高水準の管理を行うマンションが高く評価され、更には資産性が向上する仕組み作りが始まりました。国の基本方針に基づき策定された地方公共団体の推進計画の元、管理組合が作成した一定基準以上の管理計画を、公的に認定する仕組みです。私有財産に関する情報が外部に公表されることは元来有り得ないことですが、各マンションの管理水準を客観的に可視化しようという狙いなのでしょう。結果、管理状況が良いマンションは高く評価されることで価値も向上します。逆に、認定されない管理不全マンションは、自然と排除されることになるのです。
中古マンションを検討する際は、月々負担する管理費や修繕積立金の多寡だけではなく、積立金の保全状況や今後の修繕計画の有無などについても確認することが大切です。そして「自分もこのマンションの管理組合の一員になるのだ!」という意識で向き合うことを忘れてはいけません。
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