【福岡発】屋根リフォームにはカバー工法が最適!?

建材展示会で手にした一枚のチラシ。そこには、屋根リフォームの新たな選択肢として魅力的な、高耐久屋根材が紹介されていました。

外装メンテナンスは木造住宅に必須

一戸建てにお住まいの方なら、誰もが一度は「そろそろ屋根や外壁の塗装を……」と考えたことがあるのではないでしょうか。一般的には10年サイクルと言われますが、実際は15年を過ぎたあたりで「そろそろやらないと雨漏りが怖いな」と焦り始めるのが実状ではないかと思います。

多くの住宅で使われているスレート瓦などは、定期的な塗装による防水メンテナンスが必須だからです。

屋根におけるカバー工法の特徴

そんな中、今回展示会で提案されていたのが、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねて被せる「カバー工法」です。

確かに、カタログに並ぶメリットは魅力的です。

  • 平板スレートの約1/3という軽さで、重ねて葺いても地震の揺れを抑えられる 
  • 表面の石粒(ストーンチップ)が雨音を消し、夏の暑さを和らげる 
  • ジンカリウム鋼板という高耐久素材により、「美観30年保証」がついている 

「これなら、もう一生塗り替えをしなくてもいいのでは?」と思ってしまいますよね。

新素材の光と闇…、絶対はありえない

しかし、建築業界に40年近く身を置く私たちの目から見ると、手放しで飛びつくのは少し危険だと感じるのです。

なぜなら、どんなに優れた最新建材でも、歴史が浅いものは、今後どのように変化していくのか誰にも分からないからです。過去にも、「メンテナンス不要」と言われた瓦が、酸性雨の影響で表面劣化を起こしたり、「軽くて丈夫」と言われたノンアスベスト瓦が、数年後には、職人さんが屋根の上を歩くだけでバキバキに割れるという建材ショックを、私たちは何度も経験してきました。過剰な営業トークが並ぶほど、逆に疑ってみた方が無難なのです。

既存屋根の防水性と施工の確実さが重要

さらに、カバー工法には特有の「盲点」があります。

カバー工法は、下の古い屋根がしっかりと施工されていることが大前提です。もし仮に、雨水浸入の原因となりそうな劣化や瑕疵が既に存在している状態だとすると、上からきれいに「蓋」をしてしまったらどうなるでしょうか。

さらに、もう一つの重要な視点は「施工」です。材料がいかに高性能であっても、メーカーの施工要領書通りに正しく施工されなければ、その効果は発揮されないどころか、かえって危険な状態を引き起こす可能性さえあります。そう…、表面をきれいに覆うだけが目的になってしまうと、雨水浸入の原因が、かえって分かりにくくなることだってあるのです。

台風被害の補修はむしろ手間がかかるかも??

また、実務的な視点で「これはどうだろう?」と思う点もあります。それは、台風などで飛来物がぶつかって、屋根の一部が変形してしまった時のことです。 昔ながらの瓦なら、傷んだ部分だけを最小限でサッと差し替えることができます。しかし、このような鋼板屋根は、1枚が横に長い板状(パネル状)で、それぞれをガッチリと噛み合わせてビス留めしています 。一部分だけが凹んだとしても、瓦のように「そこだけ簡単に交換」とはいかず、広範囲にわたって剥がさなければならない可能性が高いのです。

まぁ、「火災保険が出るから大丈夫ですよ!!」という論理なのかもしれませんけどね。

 

塗装工事より高いのは間違いないので、よくよく検討した方が良さそうです。

「30年保証だから絶対おトクです!」と、営業マンに勧められたとしても、一度立ち止まって考えてみましょう。

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