宅建業法で定められた2年間の契約不適合責任
「リフォーム済みだから安心!」と、中古住宅の購入を決めた矢先、重要事項説明書にこんな一文を見つけたら、あなたはどう思いますか?
「引渡し後に自然損耗、経年変化による劣化・腐食等を原因として雨漏り等が発生しても、売主に費用負担を求めないものとする」
「あれっ?宅建業者が売主の場合、2年間の保証(契約不適合責任)があるはずでは?」と疑問に思いますよね。
そうなんです。一般個人が売主の場合はせいぜい3か月、あるいは、免責扱いされることもある契約不適合責任ですが、売主が宅建業者となると、消費者(買主)保護の観点から、少なくとも2年間は絶対!という取り扱いに代わるのです。
そんな契約不適合責任、でも実務では…
でも、売主業者に確認すると、「引き渡し後の自然な劣化は法律上も対象外。弁護士の確認もとっている自社の規定なので変更できないです。」と突っぱねられるケースが実在します。
この業者の言い分は、本当に正しいのでしょうか?弁護士の言う「原則」は確かに正しい、でも、これを都合よく解釈して、うやむやにするつもりなのかもしれませんよ。
結論から言うと、この特約は宅建業法第40条(特約の制限)に抵触し、無効となる可能性が極めて高いものです。
確かに、売主側の弁護士が言う「引き渡し後に起きた純粋な自然劣化や不可抗力の災害は売主の責任ではない。」という原則自体は、法律通りです。しかし、問題は、「引き渡し後わずか1〜2年で起きた、雨漏りや水漏れという、契約した品質が担保されない状態」なのです。
これらは、引き渡し後に突然発生したのではなく、「引渡しの時点で、すでに雨漏りする原因(施工不良や隠れた腐食)が潜んでいた。」と考えるのが、建築・法律実務の常識です。業者の文面は、この原則論を都合よくすり替え、2年以内の不具合すら「引き渡し後の自然劣化だ」と言い逃れするための布石になっているのです。
仲介会社としてどう対処するか
このような特約をそのままにしておくと、万が一雨漏りが起きた際、「これは引き渡し前からあった欠陥が原因だ!」と、買主側が証明しなければならず、大きな負担を強いられます。
そこで私たちは、売主業者の文面を活かしつつも、そのすぐ後ろに「ただし、宅建業法第40条に基づく2年間の契約不適合責任を妨げない」という一文を追記するようにお願いしたのです。これなら、会社の方針に従いつつも、「宅建業法を守ります!」と明言するだけなので、拒む理由はどこにもないですもんね!(^^)! これで、買主さんの権利は守られ、公正公平な取引に臨むことができました。
「仲介手数料」を支払ってでも、プロを味方につける価値
実は、売主が宅建業者の物件は、買主さんが売主から直接購入すれば「仲介手数料は無料」になります。
今回のお客様にも、私は事前にその事実を隠さずお伝えしました。「直接買えば、数十万円の手数料が浮きますよ」と。不動産取引に必要な諸費用は、できるだけ抑えたいと思うのが普通ですからね。しかし、お客様の答えは違いました。これまでの物件探しや建物への向き合い方、伴走サポートを信頼してくださり、「手数料を支払ってでも、あなたに最後まで味方になってほしい」と、私への仲介を依頼してくださったのです。
不動産取引には、今回のような一般の方では気づけない「言葉の罠」や「建物のリスク」が数多く潜んでいます。もしこの買主さんが、目先の手数料無料につられて売主業者と直接契約していたら、この特約のリスクに気づけず、将来雨漏りが起きたときに泣き寝入りしていたかもしれません。
買主さんの利益を徹底的に守り、公正公平な不動産取引を完遂する。それこそが、手数料を支払ってでも「買い手専門のプロ」を味方につける本当の価値なのだと、お客様の信頼が改めて教えてくれました。










