③ 不動産価格の仕組み

 夢をふくらませる一方で、少し現実味のある話をしましょう。物件情報の中で、一番初めに目にするのは「価格」だという人が多いです。買うか買わないかを大きく左右する情報ですから当然のことだと思います。その、誰もが気になる価格ですが、どのように決定されるのか、ご存知ですか?

不動産の価格はどうやって決まるの?

値付けのことを不動産業界では「査定」と言います。不動産鑑定という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは投資などの目的で取引される不動産を評価する方法です。個人間売買の場合は、過去の取引事例に倣って値付けされるのが一般的で、「求められるものは価値がある」といった商売の原理に則った観点で査定されています。 

(一般的な土地の評価ポイント)

  • 前面道路状況(道路幅員、舗装状況、道路の連続性など)
  • 交通・接近条件(最寄駅、学校、銀行、病院等日常生活に必要な施設までの距離)
  • 土地の環境(日照条件、地勢や地質・地盤、下水道や都市ガスの整備状況など)
  • 土地面積と建物配置(建物の周囲に空地がある、隣地境界線までの距離など)
  • 土地形状(ほぼ矩形地、旗竿形地、不整形地、三角地など)
  • その他(角地、高低差の有無、共有部分の有無など)

土地の査定は、なんといっても地域性が左右します。住みたい街ランキングなどで上位となる地域は、街の魅力が高く評価され、結果的に地価も高めになります。この地価表示の一つに「路線価*1」があります。路線価とは、市街地的形態を形成する地域の路線(不特定多数が通行する道路)に面する宅地の1㎡当たりの評価額のことです。土地の査定では、この路線価を根拠とすることも多く、物件所在地の近くで表示されている路線価を参考にします。路線価が発表されていない場合は、「固定資産税評価額*2」を参考にすることもあります。

また、同じ地域にある同じような広さの土地であっても、接している道路の幅員や接道⾧さによって、土地の価格も違ってきます。土地の状況により建築の自由度が変わるため、価値に差が生じることがあるのです。例えば、⾧い路地の奥に敷地が広がる「旗竿地」は、敷地すべてを有効利用できない可能性があるのでマイナス評価となり、価格も低めになります。

このように、「路線価×土地面積=土地価格」というような単純な話ではありません。土地を取り巻く状況に応じて価格補正が行われたり、需要を見越した強気な価格設定が為されることもあるのです。

 

*1…路線価は、土地取引の指標となる公示地価(地価公示価格)の80%程度の価格となっており、国税局⾧によって定められている。国税庁によって例年7月に1月1日時点の価格が公表されている。

*2…固定資産税評価額は、固定資産税を賦課するための基準となる評価額である。土地については公示地価の約70%(建物については建築費の約50~70%)が評価額となる。評価は原則3年ごとに見直され、地価の下落・上昇などにより評価額が増減することもある。

 

一方、建物の価格査定はというと・・・

建物の査定は築年数が作用します。木造住宅の場合、減価償却は築25年と言われ、築30年ともなるとゼロ評価(=価値なし)とみなされ、土地価格のみで提示されます。マンションの場合、近隣の成約事例などから相場価格を算定して提示されることが多いようです。

売主さんにローンの残債がある場合や、数年内にリフォームしたばかりという場合は、その分、上乗せされていることもあります。リフォーム履歴は物件情報に表示されていることが多いので、参考にするとよいでしょう。

 

土地も建物も付けられている価格には何かしら「理由」があるので、高い・安いだけに目を奪われず、細かい物件情報を見比べることが大切です。