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【福岡発】「地震・雷・火事・親父」…豪雨はランキング外!?

西日本の広範囲における先週末の豪雨災害では、多くの命が失われる結果となってしまいました。

過去に類を見ないほど頻繁に発令される警報は、避難準備から勧告、そして指示へとより厳しいものに変化していきました。夜が明けて、だんだんと明らかになってくる被害状況を伝えるメディアの論調は、「警報が出ていたのになぜ逃げなかったのか?」ということ。被害に遭われた方に、追い打ちをかけるように責め立てるのは勿論いけないことですが、「どうして?」という気持ちは拭えません。何故なら、天気予報を見れば警報が出る前から豪雨の予測はつくはずですし、過去に起こった災害の状況も、見聞きしていることは間違いないからです。

 

それでも自分の身に起こることとして想像力が働かないのは、人間誰しもが持っている「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信があるからです。そして、「避難するのは面倒だし、何ともなかった時には徒労に終わる行動をとりたくない」という気持ちも芽生え、警報を耳にしながらも、瞬時に決断することができなくなってしまうのではないでしょうか。

 

皆さんは、ハザードマップをご覧になったことはありますか?がけ崩れや土砂災害の可能性が高い地域や、洪水による浸水被害の予測を各市町村が地図に落とし込んで発表したものです。

 

加えて、福岡市には「揺れやすさマップ」があります。福岡市役所ホームページに公開されているこのマップの目的にはこう書かれています。

 

「この「揺れやすさマップ」の目的は,警固断層帯南東部で地震が発生した場合,あなたのお住まいの地域の震度を確認し,あなたの建物の耐震性能を確認していただくものです。もし,建物の耐震性能に心配があれば,耐震診断を受けて確かめましょう。そして安全でないと判断された場合は,耐震改修工事を行いましょう。」

 

福岡市における耐震補強工事の補助金制度(交付には要件があります。)は年々強化され、現在では工事費の46%、上限90万円という、近隣市町村でも群を抜いた額が設定されています。

 

地震はいつ起こるかわかりません。もしかしたら、自分が生きている間は起こらないかもしれません。しかし、台風や豪雨ならある程度の予測もつきますが、地震は避難の猶予もないのです。

 

耐震性能の低い家に住んでいるということは、常に「避難指示」の状態にあるということではないでしょうか。揺れやすさマップの公表や補助金制度の強化・アナウンスは、その「警報」です。「地震は怖い、でも工事にはお金がかかる。例え地震が起きても自分だけは大丈夫なんじゃないか、耐震工事にお金を使ってもし地震が来なかったらもったいない!」思考の堂々巡りに陥り、判断が遅れることは避けたいものです。

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