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【福岡発】将来的な水道料金の値上げは必至!? 水道本管の話

水道料金は一定ではない!?

水道料金は公共料金なのですが、自治体によってまちまちだということをご存知ですか?

 

今月6日、水道事業の基盤を強化する改正水道法が成立し、来年秋にも施行されることが決まりました。自治体が民間事業者に運営権を売却する「コンセッション方式」の導入促進が改正の柱ですが、その先にある目的は、水道事業の経営改善や水道管の老朽化対策につなげることにあるようです。

 

水道本管の老朽化対策は待ったなし!

各自治体が、「コンセッション方式」の導入を選択するかどうかは別にして、水道本管の老朽化対策は待ったなしの状況にあります。突然道路が水浸しになるニュース映像が正にそれ!老朽化した水道本管が水圧に耐えられなくなり、破裂して漏水するのです。付近住民は断水を余儀なくされ、管理責任者である地方自治体は、補修工事に時間とお金を費やすことになります。マイホームの維持管理についても同じことが言えますが、前もってメンテナンスするよりも、問題が起きてから対処する方が、時間的にも費用的にも余計にかかることは間違いありません。

 

厚生労働省や日本水道協会のデータによると、日本各地に張り巡らされた水道管は延べ約66万キロ、地球を16.5周できるほどの長さだそうです。そのうちの12%にあたる延べ約8万キロが既に耐用年数を超えている状態にあり、早急に更新工事をする必要があります。しかし、毎年各地で水道管破裂事故は起こっており、当地福岡でも年間1000件を超える勢いなのです。

 

財源不足で対応が遅れている現状は深刻

破裂事故を起こす前に手当てするのが基本なのですから、更新対象の水道本管について計画的に取替工事を進めていくべきですが、それがなかなか進まないのは、ひとえに財源不足が原因です。水道の恩恵を受けているすべての人が、その使用料に応じて水道料金を負担しているわけですが、単年の事業はなんとか回せたとしても、資産とも呼べる水道設備の維持管理を十分に行うことができないまま現在に至っているわけです。

 

何にしても、問題を先延ばしにすることはよくありません。今回の法改正で、私たち消費者も意識するところとなりました。今までは、安くて安全な水が供給されることが当たり前だったわけですが、問題点が白日のもとになった以上、官民一体となって解決策を探るべきです。そのための「コンセッション方式」の導入であるならば、リスクや問題点もあるでしょうが、積極的に検討を進めていくべきでしょうし、消費者として負担を受け入れることも必要でしょう。

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