3年延長するらしいけど…
消費税増税を前に、マイホームをいつ買うべきか、損得勘定でもやもやしている人は多いと思います。住宅購入を増税の前後で比較する場合、どちらが有利かという話の中心には、住宅税制や補助金制度の話が必ず存在します。中でも目玉の一つは住宅ローン減税。今回の増税に対する駆け込み緩和策として、2019年度の税制改正で、住宅ローン減税の対応期間が3年延び、現行の10年から13年になることが決定したのです。つまり、9月以前に購入した場合は10年間、10月以降に購入した場合は13年間、減税の対象となるわけです。
単純に3年間延びるわけではない
10月以降に消費税10%でマイホームを購入しても、3年間は余計に減税されるので、もしかしたらこっちの方が有利かも?住宅価格に2%増税分が上乗せされても、それ以上に住宅ローン減税による戻りの方が大きいなら得、逆に戻りが少なければ損ということになります。
住宅ローン減税は、その年の借入残高の1%を所得税(+住民税)から税額控除するというものです。新築住宅を購入した場合は10年で400万(高性能な住宅であれば500万)を上限に控除されることになっています。額だけみると丸々得した気分に陥りそうですが、あくまでも所得税(+住民税)の控除ですから、元々払うべき額で頭打ちになることをお忘れなく。
つまり、限度額が毎年40万だとしても、そもそも支払うべき税額がそれよりも低ければ、その税額分が丸々援助されるだけということです。そうだとしても勿論嬉しい制度であることには間違いありませんが…。
ここで更に注意が必要なのは、この上限40万円が3年間延長されるわけではないということです。今回の税制改正では、延長された3年間に使用される限度額は、(A)「建物購入価格×2%÷3」か、(B)「住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%」の、いずれか小さい額ということになっています。既にこの段階でややこしすぎてわかりにくいですよね!
消費税は建物にしかかからない
更に、ここで言う建物購入価格は、いわゆる物件価格の一部であることも忘れないでください。建売住宅の物件価格は「建物代金+建物代金の消費税+土地代金」で成り立っています。お気づきの様に、土地部分には消費税はかからないのです。
とすると、消費税増税分の2%は思ったよりもわずかなものかもしれません。上限40万であれば、あと3年間所得税がゼロになる可能性も高かったかもしれませんが、(A)が上限になるなら、文句なく所得税がゼロになる期間が延長される というような単純なものではないのかもしれませんね。もやもやするほどの損得はないのかもしれません。