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【福岡発】「住まいの健康診断」の割引料金とその仕組みについて

 住まいの健康診断

(一財)福岡県建築住宅センターが実施する「住まいの健康診断」事業をご存知ですか?

「住まいの健康診断」は、売却予定の中古住宅に対して、一定の基準を満たす住まいの健康診断実施事業者(住宅市場活性化協議会により認められた事業者…はて??)が既存住宅状況調査を行い、建物の状態を明らかにするというものです。これにより、中古住宅の取引が円滑に進められるようにしていこう!という事業なのです。

この取り組みは、福岡県独自のものとして随分前から行われていました。宅建業法の改正に伴い重要事項説明に登場した、インスペクション(建物状況調査)にも該当する調査です。本来なら、売主が売却活動を始める前に実施するのが理想的なのですが、売れるかどうかもわからない状態で、費用をかけて調査を行う売主はまだまだ稀です。実際には、買主が購入を検討する際に、中古住宅に対する不安から、調査を希望するというケースの方が多いのではないかと思います。

 

この制度、補助金は出るんだけど…

せっかく作った制度なのに、使ってくれる人が少ないと意味がありません。ということで、この制度を使って調査・診断を申し込むと、補助という名の割引があります。料金表を見ながら計算してみたところ、耐震診断を含む状況調査の場合は合計で110,000円(税込)かかります。これが定価ですね。ここから、福岡県の割引が15,000円、業界団体(うさぎかハト)が仲介業者として絡んでいるなら更に10,000円の割引が発生し、結果として、85,000円(税込)で耐震診断を含む状況調査が受けられるということになっています。

ただ!! 割引があるのは嬉しいのですが、診断後の報告は仲介業者からの説明に留まりますし、工事に関する相談や見積は基本的には行わないことになっています。申込者の希望がある時だけ、「(一社)福岡県住宅リフォーム協会」が対応するということになっているようです。

 

結局のところ、どうなの?

どうですか?利用価値がありそうな制度なのですが、誰が何をしてくれるのか今一つよくわかりませんよね。団体がいくつもあって、その団体が横つながりでフォローしている構図なのでしょうが、実際に対応してくれる診断士やリフォーム業者に信頼を寄せることはできそうですか??

団体を信用して制度を利用することのメリットは、例えそのサービスが思うような物ではなかったとしても、団体や制度のせいにすることができる点です。でも、中古住宅の耐震性や現在の状況を本当に知りたいのなら、診断結果を踏まえた耐震補強やリフォーム工事が可能な、信頼できる事業者に最初から依頼すべきではないでしょうか。そして、その事業者を決めるのはあなたなのですから、仕組み通りに団体から派遣された初お目見えの事業者である必要は全く無いのです。

 

木造住宅の耐震診断は、建築士の資格があれば実施できます。建物状況調査は、「既存住宅状況調査技術者」という称号を与えられた建築士であれば実施できます。私たちは、どちらの調査・診断にも対応できる有資格者です。

詳しくはこちらをどうぞ。(姉妹サイト「いえロボ」にリンクします。)

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