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【福岡発】30代マイホーム購入者は人生の3大支出を自覚すべき!

 2019年総務省の家計調査によると、二人以上世帯の負債額平均が最も多いのは30代であり、その大部分を占めるのはマイホーム購入によるものだそうです。

何故30代に差し掛かるとマイホーム購入が増えるのか、その動機の第一位は「家賃を払い続けるより資産を持ちたいから」、そして、「子供が生まれたから」、「結婚したから」と続きます。第一位の動機は全世代のトータルでも1位ですから、家賃を経費として払い続けるぐらいならマイホームという資産を形成したいという気持ちは、世代を超えて共通する動機なのでしょう。翻って第二位の子ども、第三位の結婚というキーワードを見ると、30代のリアルな生活が浮かび上がってきます。

 

FP相談でよく耳にする「人生の三大支出」という言葉があります。人生において、いずれやってくる支出の山のことです。それは何かというと、「住宅取得資金」、「教育費」、「老後資金」の3つです。今までは、この支出の山が順番にやってくると想定されていました。順番にやってくる山を意識しながらお金を貯めなきゃダメですよ、というお話しです。

確かに、1985年当時までは想定に大きな狂いはありませんでした。「結婚」「子ども」は20代のライフイベントであり、それらと並行してマイホーム購入資金(自己資金)を貯め、子供が成長し小学校に上がる頃、つまり、自身も30代になった頃にマイホーム購入の夢を実現するというモデルプランでした。

ところが現代は晩婚化が進み、結婚や出産は20代のライフイベントではなくなってしまったのです。2015年の統計によると初婚同士の結婚年齢は夫30.7歳、妻29.0歳となっており、30年前の結婚年齢からすると3~4歳後倒しになっていることが分かります。結果、十分な自己資金が貯まらないうちにマイホーム購入に踏み切ることになり、30代の負債額平均を押し上げることになったのでしょう。

 

もう一つ、30代をマイホーム購入に駆り立てるものがあります。それは住宅ローンの借入期間の限度です。通常、住宅ローンの最長借入期間は35年と言われています。30歳で組んでも65歳まで、35歳なら70歳まで返済が続くことになります。一般的には定年完済が目標でしょうが、歳を重ねるごとにそれは難しくなってくるのです。

確かに、同じ借入額でも、変動金利で借入期間を35年に設定すれば毎月の返済額はグッと抑えられます。でもそれは一種のまやかしです。次にやってくる「教育資金」や「老後資金」の山を乗り越えるべく、住宅ローンの返済をしながらちゃんと貯めることはできそうですか??そこを真剣に考えないと、ダメなんですよ。マイホーム購入が後悔の種にならないように、気をつけてください。

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