居住中物件の内覧
皆さんは、居住中の中古物件を内覧したことありますか?そこには売主さんがいて、生活の様をありのまま見ることができます。とはいえ、買うかどうかもまだ分からない状態ですから、あまりジロジロ見るのは失礼かも…と思ったりしますよね。
売主さんの対応もまちまちです。新しい家を建築中の幸せな売主さんもいれば、家を手放さざるを得ない困窮した売主さんもいます。家に対する愛着度も違いますから、きれいに整理整頓されている家もあれば、あちこち破損したり汚れたりしたままになっていて、げんなりする家もあります。
どこまでが売り物なのか?
さて、中古物件というのは、一体どこまでが売り物なのでしょうか?
中古住宅のメリットの一つは 「すぐ住める」という点です。電気も水道も既に引いてありますし、実際売主さんが住んでいたわけですから、手続きさえすれば、リフォームなど何もせず住むことも可能です。
ただ、キッチンやお風呂、トイレなどの設備機器に関しては、壊れた状態で引渡しということもあります。この点については、新品ではないのを承知の上で購入しているわけなので、売主さんに文句は言えません。もし壊れて使えない状態なら、自分の責任で修理したり取り替えたりしなければなりません。但し、売主さんには、事前告知をする責任があります。
売主側の宅建士は、これら設備機器をはじめとする付帯設備類のうち、どこまでが売り物なのかをはっきりさせる必要があります。売主に聞き取りをして、どんな設備機器が建物についているのか、それは壊れていないのか、一覧表にまとめます。
建物に後から付けたもの、例えば、照明器具やカーテン、エアコンなどについては、売主が撤去して持っていくのか、それともそのまま置いていくのか、お互いの宅建士が双方の希望を聞き取りしながら調整していきます。簡単に移動できる家具や家電はそもそも建物の一部ではありません。全て売主側の責任で撤去するのが当たり前です。
残存物があると契約不履行になりますから、予定通りの引渡しはできません。
引渡し前の残存物確認は重要
先日、一般の方がYouTubeで公開した購入物件の映像を見たのですが、それはもう酷いものでした。
ベッドやテーブル、使いかけの掃除道具、シャンプーや洗剤、鍋など、残存物だらけです。しかも汚い!完全にゴミです。「現状有姿」という言葉で丸め込まれたのか、それとも、大幅値引きを要求したために、例え残存物があっても文句を言わないと特約事項に追加されたのか、定かではありませんが、とてもとてもこのまま住めるような状態ではありませんでした。
本当は、仲介会社が引渡し前に残存物の確認をすべきなのです。最後まで円満に、トラブルなく仕事を全うするにはどうすべきか、ちょっと考えれば分かる事なのに…。同業者として恥ずかしく、とても残念な気持ちになりました。
物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談者に巡り合うこと」
対面相談が何故大切なのか分かり易い動画にしました。是非ご視聴下さい。 |