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【福岡発】年金繰り下げ支給の上限年齢が75歳に!

厚生労働省が5年毎に公表する完全生命表を見ると、1970年代半ばに男女とも70歳を超えた日本人の平均寿命は、それから40年後の2010年代半ばには優に80歳を超え、それ以降もじわじわと延び続けていることが分かります。

公的年金制度はよく、1階建てや2階建てと表現されることがあります。個人事業主は国民年金(基礎年金)の1階建て、サラリーマンは厚生年金がセットされて2階建て、という塩梅です。希望すれば、国民年金基金や厚生年金基金に追加加入して、将来支給される年金額を増やすこともできます。更に、iDeCoや企業型DCを利用して、賢く老後資金を蓄える方法もあります。

 

さて、老後の生活を支える年金の支給開始年齢については、1985年(昭和60年)から、1階部分の基礎年金がまずは65歳開始となり、2000年(平成12年)からは、2階部分の厚生年金も、段階的に65歳開始となりました。2031年(令和13年)からは、経過措置による段階的支給も終了し、全国民が完全に65歳支給開始となります。

 

以前は60歳から支給されていたのですから、有無を言わさず一律に、5年間も繰り下げられたことになります。平均寿命が80歳を超えた現代においては、60歳で老後はスタートさせてもらえないのですね。確かに60歳はまだまだ現役って感じです。定年を60歳から65歳に引き上げる企業も増えてきました。高年齢者雇用安定法では、各企業に、65歳まで働く場を提供することが努力義務として課せられています。

年金は65歳から、そして65歳まで働く場があるとなれば、空白の5年間を働いて埋めるしかありませんよね。働きたいのか働かざるを得ないのか…。そこのところをちょっと取り間違えているのか、「働きたい人はどんどん稼いで、更に年金支給年齢を繰り下げてもいいですよ! そうすれば、支給される年金額が増えますから!(^^)!」 という制度まであります。繰り下げの上限年齢は今まで70歳だったのですが、今年の4月から75歳に引き上げられることになりました。う~ん、そんなに働けるものなのでしょうか??

65歳支給を75歳支給に10年間繰り下げると、支給される年金額は65歳時の84%増しになるそうです。結構な増え方だとは思いますが、平均寿命までの残り時間を考えると、どうなんだろう??

 

元気に働き続けられるかどうか、その時にならないと分からないのですから、繰り下げによる年金アップを目論んであてにするのはちょっと危険ですよね。それよりは、iDeCoや企業型DCを賢く利用して、若いうちからコツコツ蓄えた方が良さそうです。資力に多少の余裕があれば、無理のない働き方で張り合いのある老後を愉しむこともできそうです。

物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談相手に巡り合うこと」

 

対面相談が何故大切なのか分かり易い動画にしました。是非ご視聴下さい。


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