中古住宅の購入には不安が付きまといます。広告に掲載されている写真や間取りだけでは分からない部分があるからです。中古なのですから築年数に応じた劣化があるのは当たり前。でも、隠れたところに欠陥があったらどうしよう…そんな不安をぬぐうことができません。
不動産業界や建築業界では、欠陥のことを瑕疵と表現します。瑕疵とは、本来備えているはずの品質や性能が欠けている状態のことです。逆に言うと、品質や性能が一定以上あれば、多少、取り付け方が間違っていても、材料をけちっていても、それは瑕疵ではありません。ただ、工事をした人が下手くそでモラルが低かった、というだけのことです。
築年数が古いほど、そんな家は山ほどあります。新築当時はさほど問題にならなかったようなことも、年数が経つことで不具合として表面化し、生活に支障をきたす場合もあります。なので、国は、中古住宅を購入する際にはインスペクションをするべきだと言っているのです。正確に言うと「既存住宅状況調査」です。これは字が示す通り、中古住宅の状況(主には劣化状況)を調査するのが目的であり、瑕疵を指摘するためのものではありません。ましてや、中古住宅売買において駆け引きの道具にするようなものでは決してないのです。
目に見える劣化を改善する、あるいは、表面化した不具合から原因を想像して対策する、そのために有効活用すべきものなのです。
先日、インスペクションの講習会に参加したのですが、なんだかあら捜しを自慢しているような講師のお話に、とても嫌な気分になりました。依頼者のために小さなことでも指摘するのがその人のモットーみたいです。瑕疵でも劣化でもない、ただ、下手くそでモラルが低い人がたまたま工事をした結果に過ぎないのに…。それを売主に突き付けて何がしたいのでしょうか??
木造住宅は現場で手作りするものです。工場製品ではないのですからムラがあるのは仕方のないことです。新築当時は同じように建っていた家も、築後数十年もすれば、家の状態に良し悪しが出てくるものであり、また、売主の管理状況に左右されるところも大きいものなのです。
その家を買うことに決めたのなら、劣化や不具合を調査によって明らかにし、どうするかを考える…。それが正しい手順であり、決断をより強固にする手段でもあるのです。
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