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【福岡発】カビの発生と業者の言い分

賃貸物件のカビ問題について、今朝のワイドショーで興味深い話がありました。被害を訴えている女性の話によると、入居後2ヶ月で、クローゼットに納めていたバッグや靴がカビだらけになったそうです。映像を見ると、かなりの量がぎゅうぎゅうに詰め込まれている印象です。革製品はそれだけでカビの栄養源になりますから、これは、ある程度しょうがないかも?と思いました。

カビ発生の原因は?

カビは何故生えるのか?
どうしてカビが大繁殖?

カビが発生するということは、カビにとって好ましい環境が整っているということです。カビにとって必要な環境要素は三つ、空気と湿気と栄養です。私たちの生活から空気を無くすのは無理な話なので、気を付けるべきは湿気と栄養素。なので、一般的に注意が必要な場所は、台所や浴室と収納部分。台所は栄養を断つことが難しく、収納部分は湿気を制御するのが難しいです。浴室は常に両方ありますから、毎日がカビとの闘いです。きれいに掃除をして換気を怠らないようにしなければなりません。

収納部分のカビ…注意点

今回問題となっている収納部分のカビ対策としては、まず、詰め込まないということ。空気が淀むとよくありません。食べこぼしや汚れは栄養源になりますから、きれいな状態で保管するのはもちろん、着用した服は湿気があるので、すぐ仕舞わない方がいいと思います。更に、収納内の内装材は調湿作用があるものを選びたいものです。石膏ボードにビニールクロスを張るのが一般的ですが、自然素材の仕上げ材を使えば、空間の状態に合わせて吸放湿してくれるので、カビの発生を抑える効果が期待できます。が、賃貸物件は見栄えよくコスト削減するのが命なので、目立たない部分の内装材にまで気を配ることはまず無いでしょう。

業者の言い分

賃貸契約にも重要事項説明は義務付けられています。この物件は、最初から除湿器が3台設置された状態で貸し出す約束になっていたとか…。部屋の特性を理解して借りるという文言もあったようです。これを見ると、やはり以前から問題を抱えている部屋であり、自己防衛のために重要事項として説明した体をとっているのは明らかです。だって、前賃借人の申告(湿気が多い、カビが発生した、なんとかしてほしい)がなければ、わざわざお金をかけて除湿器3台なんてつけませんよね。

重要事項は、当事者(賃借人、買主)が理解できるように説明しないとダメなのですが、貸す側や売る側は、都合の悪いことをさらりと流したがります。なので、借りる側、買う側の味方になってくれる宅建士が、もう一人必要なのです。

私だったら、書いてある条項を読み上げるだけではなく、「除湿器が3台設置してあるということは、湿気が多い部屋なのでしょう。使い方によっては、カビの発生も懸念されますが、大丈夫ですか?」と、注意喚起します。

売買においても同じです。売主側の宅建士に仲介をお願いするのではなく、買主側の宅建士を立て、公正公平に仲介してもらうことをお勧めします。

 

それにしても、尋常ではないカビの量です。除湿が間に合っていないということは、湿気が供給されつづけているということも考えられます。この辺になると、建物の瑕疵の話になるので、続きはまたの機会に!(^^)!

物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談相手に巡り合うこと」

 

対面相談が何故大切なのか分かり易い動画にしました。是非ご視聴下さい。


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