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【福岡発】旧耐震物件の耐震補強工事について

旧耐震物件を購入するなら

不動産の価格は、いろんな比較軸が絡み合って決まります。駅に近い方が高いですし、土地や建物の面積は広い方が高いです。そして、家は新しい方が高いです。逆に言うと、同じエリアで同じようなサイズ感なら、古い家の方が安いということになります。

予算の関係で、駅近だけど無茶苦茶古い物件の購入を決断することもあるでしょう。もちろん、古い物件でもリフォームで快適にすることはできます。が、ここで注意が必要なのは、その家が持つ耐震性です。一般的に、旧耐震と言われる物件は脆弱なものが多く、リフォームに絡めた耐震補強はマストなのです。

※ 旧耐震物件とは、確認済証の日付が昭和56年5月以前のものです。

耐震補強工事の進め方

旧耐震物件の補強工事を行うためには、耐震診断を行い、現状の耐震性を確認する必要があります。その結果を踏まえて、現行基準に適合するように補強案を検討し、工事を行います。以下、工事の手順を写真で説明しましょう。

旧耐震物件 耐震補強工事
旧耐震物件 耐震補強工事

1.既存壁の解体

 表面のボード(石膏ボードやベニヤ板など)を解体し、下地の桟だけの状態にします。


旧耐震物件 耐震補強工事
旧耐震物件 耐震補強工事

2. 柱頭柱脚金物の設置

 

柱の上下(柱頭柱脚)部分に専用の金物を設置します。柱頭部分は梁に、柱脚部分は土台に、柱を緊結して一体化します。


旧耐震物件 耐震補強工事

3.耐震ボードの下地施工

 

耐震パネルの下地胴縁を施工します。柱と耐震パネルが一体化するように、下地胴縁を組みます。

 

旧耐震物件 耐震補強工事
旧耐震物件 耐震補強工事

4. 耐震ボードの設置

 

三分割された耐震ボードを下地胴縁にビス止めします。実はこの耐震ボード、床から天井までの一枚ものではありません。地震力を三層で受けることにより、力をいなして復元する効果を発揮します。計算された耐力を確保するためには、ビスピッチを施工基準書通りにすることが求められます。


旧耐震物件 耐震補強工事
旧耐震物件 耐震補強工事

5. 内装の仕上げ

 

内装用の下地を張り、内装仕上げ材を施工して完了です。

 


見た目は変わらないけど耐震性はアップ

耐震補強工事は、はっきり言って地味な工事です。生活がしやすくなるわけでも新しくなるわけでもありません。ただ、壁の内部に施工された耐震ボードは、家全体の耐震性を現行基準まで引き上げ安全安心な状態にしてくれます。

内装や設備機器の交換など、直接的に住環境を改善するリフォームも大切ですが、旧耐震物件を購入するのなら、耐震補強工事をベースに、リフォームを計画するべきだと思います。

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