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【福岡発】狭くない?? 建売物件の面積に注目してみた

建売住宅が活況?

人口減少、家余りに向かうとわかっていながら、何故こんなに建売住宅が多いのか??優良な中古住宅を循環させることに国は躍起ですが、実際のところ、中古住宅は業者の思惑で売却先を調整され、二区画に分筆された後、建売住宅が供給される構図が出来上がっているように見えます。

建売住宅と聞くと、以前は使用材料が劣悪で手抜き工事の心配がある物件という感覚でしたが、今は、長期優良や性能評価を受けた高品質のものも多く、検査体制も整い工事の精度も上がっています。価格だけを見ると割安感さえ感じる程です。ただ、敷地面積や建物の床面積を見ると、格段に小さくなっていることは間違いないです。だって、一区画だったものを二区画にしているのですから、空間の余裕は全くない状態なのです。

 

昔の家と何が違う?

私たちが建築業界に入った昭和の終わりごろは、敷地面積は60坪、床面積は35坪が平均的な住宅の規模感覚でした。平米に換算すると敷地は200㎡、床面積は120㎡くらいです。ところが、最近の建売住宅は、敷地面積が150㎡前後、床面積は100㎡を切っているものも珍しくありません。

どこがそんなに違うのか、じっくり見比べてみました。まず、庭がありません。駐車スペース2台分と玄関アプローチさえ計画できればそれで良しとされているようです。玄関ポーチやホールは極力最低限に抑え、何とか1階にLDKを配置します。もう一部屋、1階に客間が欲しいところですが、それは難しいのでLDKの付属室のように和室コーナーを設けます。2階には、主寝室と子ども部屋がふたつ計画されていることが多いのですが、これがかなり狭い…。6帖とか8帖というような矩形ではなく、「物入れ部分を含めて6帖」というような感じです。家事や子育てに配慮された設備機器は目を惹きますが、空間としては必要最低限なのかもしれません。子どもが小さいうちは気にならないかもしれませんが、子どもはあっという間に大きくなりますよ。

 

ピークを過ぎれば丁度いいのかも

確かに、家族構成や生活様式など昭和の時代から激変したものもあり、現代においてはこのサイズで十分という考え方もあるのでしょう。子どもが巣立った後、家が広すぎて管理に困るという話もよく聞きますもんね。そう考えると、手狭感のピークを過ぎれば丁度いいサイズになるのかもしれません。

住宅ローンを完済するその時まで、自分たち家族の生活がどのように変化していくのか、想像してみることも大事なんですね。

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