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【福岡発】巣別れの季節!羽アリを目撃したことありますか?

木造住宅を脅かす白蟻の生態について、ちょっとお話ししたいと思います。

 

白蟻は、湿った土の中や切り株に巣を作ります。そこから密かに木造住宅の木部にまで侵出してくるのですが、彼らは光と乾燥には弱いので、蟻道と呼ばれる自分たちの通り道を少しずつ作りながら忍び寄ってきます。

 

古い木造住宅の床下空間は、換気と水はけの悪さで湿潤状態にあることが多いので、白蟻にとっては活動しやすい環境と言えます。地中から基礎を伝って土台に行くまでが大変!蟻道をせっせと作って土台にまで到達し、木部を食い荒らし始めます。床の下地板を食べ、畳をたべ、柱を上って梁まで到達することもあるのです。柱の表面に筋状の穴が開き始めて白蟻の被害に気づいた時には、既に柱の中はスカスカ状態、家を支える構造体としての役目を果たせない状態になっていることもあります。

 

特に被害が多いのは、空き家や、あまり使用しない部屋がある家です。物音がすれば白蟻は活動を中止するのですが、静かな状態にあっては延々活動し続けます。床下や柱の中からついには室内にまで出てきて、段ボールや本が床に置きっぱなしであれば、それらも好んで食べる程です。

 

羽アリの大群を見たことありますか?あまり気持ちのいいものではありませんが、今頃の季節になると巣別れの為に古巣から大量に飛び出す羽アリに遭遇することがあります。その量たるや凄まじい…新居(コロニー)に落ち着いたらおびただしいほどの卵を産み職蟻を量産します。そしてまた次の木造住宅を狙っているのです。そう考えると、人知れずそこかしこに彼らの巣はあるのかもしれませんね。

 

最後に、白蟻に狙われそうな家はこんな家です。中古住宅を購入する際は注意してください。

・ 床下が土である。(最近の家は鉄筋コンクリートのスラブ基礎が多いのですが、古い家は要注意。)

・ 基礎の立上りが低く、換気が悪い。(乾燥状態にない土の表面が近いと良くない。)

・ 浴室がユニットバスではなくタイル張りである。(目地の切れ目などから漏水し木部が湿潤状態にある可能性が高い。)

・ リスクが高い状態にあるのに白蟻の予防工事が定期的に行われていない。(通常は5年サイクルで行う。) 

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