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【福岡発】リフォーム断念…心配という名のおせっかい

もう随分前の話ですが、ふと、リフォーム工事に至らなかった過去のお客さんのことを思い出しました。

 

きっかけはあるテレビ番組です。その番組は、点検商法によるリフォーム詐欺を取り扱ったものでした。題材はここでも床下換気扇! 床下を家主自身が確認することは難しいためか、見えないところでやりたい放題です。床下の湿気問題を持ち出して無料で点検し、不必要な換気扇設置や調湿剤敷設を法外な値段で受注していきます。特に被害に遭いやすいのは年配の方のようで、息子夫婦は遠方で暮らしているなど家族に相談する環境にない人が狙われやすいとのこと。確かに…この手の詐欺は昔からそうですよね。

 

さて私たちは随分前からリフォーム工事を請け負う仕事をしているのですが、ほとんどの案件はお客様の相談電話からスタートします。リフォームを思い立つきっかけは不具合や困り事です。新築時は自分の生活にピッタリだった我が家も、家族構成の変化で部屋を持て余したり、年齢を重ねることで使い勝手が悪くなることもあります。また、経年劣化による不具合もあちこちで見られるようになります。そのような事象を改善するためにリフォームを思い立つわけです。

 

いただいた相談電話で困りごとを丁寧に聞き取り、ご希望があれば現地調査に伺い、リフォームの計画案と見積書を提示します。打合せを重ね、工事内容と費用にご納得いただいたら契約に進むわけですが、ここで、同居していない息子夫婦からストップがかかるケースがあります。リフォームといえば詐欺まがいのことをしているのではないか?という先入観、そして親を心配してのことなのでしょうが、こちらの対応やリフォームの内容を確認もせず頭ごなしに反対し、計画を取りやめる事態にまで追い込まれることも。

ご両親様は私たちに平謝りです。そしてこうおっしゃいました。「私たちが一生懸命働いて貯めたお金ですよ。老後を快適に暮らせるようにと思い立ったことなのに、何故息子たちに反対されなければならないのか…がっかりです。」

 

親子の力関係が逆転するタイミングってどこにあるんだろう??といつも思います。心配という名のおせっかい、あるいは、単なる口出しとしか思えないような感じで、ご両親様の落胆ぶりを見るにつけ、何ともやりきれない思いが募る出来事でした。

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